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花色の濃い早咲きのサクラ [季節の話題]

2月までは結構寒かったのですが、ここ数日急に暖かくなってきました。
開花の遅れていた、早咲きのサクラの品種も急に咲き始めました。
先程撮影した、調布市役所脇のカワヅザクラ(河津桜)です。
あっと言う間に満開になってしまいました。
調布のカワヅザクラs.jpg

こちらは先日、皇居東御苑で撮影したカンザクラ(寒桜)です。
カワヅザクラよりも、やさしい感じのする花です。
カンザクラs.jpg

こうした早咲きのサクラの品種のほとんどは、よく知られたソメイヨシノやヤマザクラよりも、花の色が濃いという特徴があります。
早咲きの品種は一方の親がカンヒザクラであり、
早咲きという形質だけでなく、花色が濃いという形質も受け継いだようです。
ちなみにカワヅザクラはカンヒザクラとオオシマザクラの交雑個体が起源、
カンザクラはカンヒザクラとヤマザクラの交雑個体が起源といわれています。
ちなみにこれが、カンヒザクラの花です。
カンヒザクラs.jpg

もうひとつ、毎年早咲きのサクラを見ていて感じるのは、
よく鳥がやってきて吸蜜しているという点です。
上野公園で2月末には咲くオオカンザクラ(大寒桜)は、毎年ヒヨドリやメジロで大賑わいです。
これも先日、都内で見かけたカワヅザクラですが、
ヒヨドリが嘴を花粉で黄色く染めながら、夢中で吸蜜していました。
カワヅザクラとヒヨドリs.jpg

実際に蜜の量が多いのかもしれませんが、
まだ昆虫の少ないこの季節には、栄養価の高い花蜜は貴重な食料なのでしょう。


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緑生研究所は、日本経団連の生物多様性民間参画パートナーシップに参加しています。

担当:田中

真冬日の続く札幌から [季節の話題]

遅ればせながら、
新年明けましておめでとうございます。
皆様は、どんなお正月をすごされましたでしょうか?

年末に風邪で全滅した我が家は人ごみを避けるように、
子供たちと近所の公園へ遊びに行ってきました。
札幌は元旦から真冬日が続き、この日も零下8℃と寒い一日でした。
この時期、公園の遊具は雪で埋もれ、元気な子供たちの遊び場は、
自然と室内に限られる日が多くなります。
屋内施設のある公園は、ちびっこ(2歳)のいる我が家にとってホントにありがたいです。
温度計.jpg

動物たちにとっても、北海道の冬を生き抜くのは大変です。
結氷により行き場を失ったマガモも、どこかあきらめたかのように人々と寄り添う様に休んでいました。
マガモ.jpg

家族サービスのつもりが、大人たちも童心に帰ってチューブそりに乗ってはしゃいだり、動物の足跡を見つけたり‥‥
楽しんだのは大人の方かも?
足跡.jpg

たまにはこんなお正月もいいもんです。
大人がはしゃぎすぎたのか、娘がチューブそりの話をすると、怖かったのか「‥‥やだ」と答えるようになったのはオマケ。


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担当:北海道支所 今井

八丈小島の陸産貝類 [生き物]

 4月下旬、八丈島の八重根港を出航した小型船は快調に八丈小島を目指していた。空は小雨模様だが海は穏やかで大きなうねりもなく快適だった。八丈小島は八丈島の西に位置する無人島で、渡船を利用しないと上陸できない。船の針路に見えてきた島影は三角形に近いドーム型をしており、海岸から山頂まで急勾配な地形であることが見て取れた。
八丈小島へ向かうs.jpg

 渡船の乗客はライフジャケットを着用し完全装備の磯釣り師の数人と使い込んだレインウエアーに長靴や運動靴のわれわれ陸貝屋が6人。
 同行者は某水族館勤務のM氏、某国立大学の準教授のU氏とその研究室の新入生M君、某自然史博物館の学芸員のN氏、一緒に海外採集に行くO氏、これだけの最強メンバーが揃えば成果も期待できるだろう。
 今回の目的は八丈小島に生息する陸産貝類の採集で、特に近年生息記録のないハチジョウキセルガイモドキの確認である。
 八丈小島は1969年に無人島になっており、その後、放逐されたヤギが増え食害による環境破壊が懸念されていたが、数年前からヤギの捕獲がはじまり現在では生息していない。
以前にも数人の陸貝屋が島に渡っており、そのころはヤギ道が縦横無尽にあったため島内の踏査は比較的に容易だったらしい。
 八丈小島にだいぶ近づいたところで船は島の周囲に点在する岩場を廻りながら釣り客を次々に降ろしていく、あとは最後に残った我々を島の北部の集落だった鳥打の海岸で降ろすだけだ。
 船を寄せる桟橋は無く、船着き場らしいと思えるのは船の引き上げに使っただろうコンクリートのスロープが陸上から海中へ続いているところだけだった。上陸方法は寄せ波のタイミングに合わせて船の舳先を岩場に押しつけている間に飛び移る。ここが一番危険な場面でタイミングが狂うと海に落水するか船と岩に挟まれる。
 船長が上陸したら左側の岩に沿ってあがるように指示していたが、聞こえなかったのか失念したのか、一人がスロープを四つん這いになってスローモーションのようにゆっくりと海へ向かって滑っていく、表面に付着した海苔で踏ん張りが効かないようだった。どうにか近く手を伸ばしてもらい岩の方へ引っ張ってもらい事なきを得たが、船のスピーカーから船長の「だから注意しただろう!」と怒声が響いた。
 上陸地点から山腹の集落跡までは道が残っており順調に進むことができた。無人になってから43年も経過しているため家屋の木造部分は残っておらず、森に呑まれたように木々が茂っている。ただ所々崩れた石積みによって集落跡であることがわかる。
八丈小島上陸s.jpg

 歩きながら常緑樹の樹皮を見ていくと小さなキセルガイが付着しているのが見えた。これはヒロクチコギセルだった。南西諸島から本州にかけて広く分布しているが生息地は局所的で海流によって分布拡大した陸貝である。非常に個体密度が高くここでは優先種のようだ。個人的にはこれよりひとまわり小さいナカダチコギセルを見つけたいのだが、なかなか見つからない。
ヒロクチコギセルs.jpg
 ヒロクチコギセル

 この日の樹林内は湿度が高く、絶好の条件に思えたがハチジョウキセルガイモドキは見つからない。しかし陸貝は非常に活発に活動しておりツバキカドマイマイ、パツラマイマイ、ハチジョウヤマボタルなどが徘徊しているのが見られた。
ツバキカドマイマイs.jpg
 ツバキカドマイマイ

 朝から降り続く小雨は4月下旬の気候では肌寒く感じ、完全にモチベーションが下がったのか、もう戻って温泉へ行こうという意見が出始めた。
 樹林から出て戻りながら小学校跡地といった開けた環境に移動すると、石の下や草むらからハチジョウノミギセル、トライオンギセル、オナジマイマイモドキなどや、石垣に生えたスゲの根ぎわでは微小種のハチジョウキバサナギガイも見つけられた。
小学校跡s.jpg

 調査を終えて島を離れる頃には空は晴れ渡り、船の後方を振り返ると海から突きだした八丈小島が雄々しく見えた。
 今回の調査でもハチジョウキセルガイモドキは幻の貝だったが、八丈小島にはまだ自然が保たれていることが分かり、そして多くの固有種が確認でき大変満足できた結果であった。
 ただ残念なことに隣接する八丈島では固有種の姿は非常に少なく国内移入種が至るところにみられた。本来分布していなかったミスジマイマイが市街地の神社周辺でみられ、一見して自然度の高そうな山地の樹林においても、なぜか鹿児島県宇治群島のウジグントウギセルが生息している。また、山間部には宮崎県の県の木で有名なヤシ科のフェニックスの圃場が所々にあるが、そこで落ち葉をめくってみると葉裏に奄美諸島のオオシママイマイ、沖縄諸島のシュリマイマイ、本州のヒダリマキマイマイが付着している。日本各地の選抜メンバーが集結している状況だ。
ウジグントウギセルs.jpg
 ウジグントウギセル

 山麓は遠目に見て樹林環境は良く残っているように思える。実際に林内を散策しても苔むした大木があり、谷部の空中湿度は高く感じられ、森全体には多種多様な植物が繁茂している。しかし、そこはすでに陸産貝類の固有種の姿はなく外来種の天国となっていた。八丈小島がこのようにならないことを祈らずにはいられない。


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担当:中原

オオムラサキの森を訪ねて [生き物]

季節は秋に向かおうとしているが、夏の思い出をひとつ紹介したい。この夏、8月初旬猛暑の中、山梨県甲府市にある武田の杜(健康の森)を訪れた。
武田の杜(健康の森)は甲府駅の北西に位置し、アカマツやクヌギ、コナラが優占する森である。名前の由来は、武田信玄公から命名されたもので、森の南東の古府中町には甲斐の国の総鎮護として祟敬を集めている甲斐武田神社がある。
森の南側には甲府市街地が広がり、南アルプスや富士山を見ることができる。この森は市街地に近接しているにもかかわらずオオムラサキが群れ飛んでいることに驚かされる。
ご存知のようにオオムラサキは国蝶とされ、タテハチョウ科に属する大型の蝶で青紫色の翅が美しい蝶である。
武田の杜(健康の森)では、食樹となるエノキの大木が点在しており、尾根部や南側斜面樹林、北側の林道で群れ飛ぶ姿やクヌギの樹液に集まる姿が多くみられる。
オオムラサキの他にルリタテハ、ジャノメチョウ、ミヤマカラスアゲハなどの蝶もみられる。また、オオムラサキ、スズメバチ、ミヤマクワガタ、コガネムシなどがクヌギの樹液が出る場所に同時に集まっている光景もみることができる。
みんなで仲良く樹液を吸っているのか、牽制して睨み合っているのか不思議な光景である。
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オオムラサキ(オス)

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クヌギの樹液に集まる、オオムラサキ、スズメバチ、コガネムシ、ミヤマクワガタ


遠い昔、カブトムシヤやクワガタに夢中になり、虫網を持って野山を駆け回っていた時代から数十年、今はちょっと熱もさめた中年が昆虫を眺めている姿は絵にならないと自戒した夏であった。




○武田の杜(健康の森)管理事務所
 甲府市羽黒町片山 1748番地 TEL・FAX 055(251)8551
 URL:http://www.takedanomori.jp/kenkou.html

○オオムラサキに関する周辺情報
 山梨県北杜市長坂町富岡にオオムラサキセンターが開設されており、オオムラサキの他国内外の蝶のコレクションをみることができる。
URL:http://oomurasaki.net/


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担当 松本

サクラの季節が終わってしまった‥‥ [日々のつぶやき]

年度末の慌ただしさを引きずったまま5月になってしまいました。
今年は春先に気温の低い日が続いたせいか、サクラの開花が遅れました。
サクラの代表種であるソメイヨシノだけでなく、サトザクラ類の開花も遅れました。
サトザクラとは、オオシマザクラから改良された栽培品種群のことを指すのですが、
一般には重弁(八重咲き)の栽培品種の総称として、ヤエザクラと同じ意味に用いられます。

080423関山.JPG
これは最も目にすることの多い品種、カンザン(関山)です。
遅咲きの品種で、今年はGWまで咲き残っていました。
花の色が濃く重たい印象があることから、あまり好きではないという声も耳にします。

DSCN6283一葉.JPG
これは早咲きの品種、イチヨウ(一葉)です。
早咲きとはいっても、ソメイヨシノが満開の頃に、ようやく咲き始めます。
1本ある雌しべが葉状に変化しているので、この名があります。

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これはサトザクラではないのですが、お気に入りの品種、
ソメイヨシノと同じ頃に咲くヨウコウ(陽光)です。
花弁が大きくて花つきがよく、やや紫色を帯びたピンクの花は明るく華やかで、
ソメイヨシノを背景に咲くと、ひときわ引き立ちます。

かくして今年はもう、サクラの花の季節は終わりなのですが、
この春は何かと慌ただしくて、あまり花を見に出かけられなかったなぁと、
残念に思っているところです。

でもまた季節が変われば、それぞれの季節の花や生きものを追いかけて‥‥
これをもう何年、いや何十年も繰り返してきているのですが、
何だかこれでいいのかなと。
きっと自分の中に蓄積されていくもの、そして更新されていくものが増えていると、信じていよう。
齢50を前にしたつぶやきでした。


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担当:田中

生物多様性を通して生命の倫理を学ぶ-岩槻邦男著『生物多様性のいまを語る』を読んで- [生き物]

近頃、書店の生物系の書棚に、「生物多様性」という言葉をタイトルに含む本が目立つようになってきました。やはりCOP10が大きな契機になったと思いますが、かつて生物分野の術語であった「生物多様性」が、「生態系サービス」の概念と結びついたことで、一挙に社会との接点が浮かび上がってきたことと関係しているような気がします。反面、そのような時勢の中で、生き物の生々しい生き様や、「生命とは」というような根源的な問いは、最近の生物多様性をめぐる主題としては影が薄いようにも感じます。

そのような中、しばらく前になりますが、岩槻邦男著『生物多様性のいまを語る』(研成社)を読み、生物多様性のテーマは、本質においてまさに生命倫理をめぐるテーマであると改めて実感することができました。

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岩槻邦男著『生物多様性のいまを語る』研成社,2009年

岩槻先生は、みなさまご承知のとおり、シダ植物を中心とする植物分類学の泰斗で、現在は兵庫県立人と自然の博物館(人博)の館長を務めておられます。「生物多様性」が社会的に認知される遥か昔から、その重要性について発信を続けてこられました。

本書は、2008年に人博で開催された「博物館で生物多様性を考える」という全10回のセミナーの講義録をもとに編集されたものです。生物多様性とは何かについて、「生きているとはどういうことか」というところから科学的な洞察を駆使して論が進められて行きます。私はその中で、第8章「生物多様性の生―生命系を生きる―」に特に興味を惹かれました。

30数億年前に地球上に誕生した生命は、様々な種類が同時発生したのではなく、たった一つの形から生じ、それが発生の瞬間からDNAの複製の機構によって多様化を始めたとされます。生物多様性の始まりです。現在、数千万~億をこえるといわれるまでに分化した生物種は、たった一つの共通の形から進化・分化を重ねてきたもので、一切全ての種が類縁関係にあります。以上のことが、本書において、生物多様性を通じて生命の倫理を考える際の大前提となっています。

「生き物の年齢」という視点を手がかりとすると、「個体の年齢」「生命の年齢」「からだの年齢」「生命体を構成する物質の年齢」という捉え方のちがいによって、その時間スケールは大きく異なることが述べられています。「個体の年齢」が大きく違う生物でも、「生命」として見た場合には、人間も大腸菌もシイタケも、地球上に生命が誕生して以来等しく連綿と生き続けている30数億歳であり、したがって、「生命を絶つとは、30数億年の歴史に終結を迫ることである」という指摘は、大変な重みをもって迫ってきます。昨今は「いのち」の実感が希薄といわれ、「いのちの教育」の必要性が指摘されていますが、ぜひ小中学校の教育に盛り込んでほしい視点です。単に「いのちは大事」といった情緒的な伝え方ではなく、本書のような科学的な考察に基盤をおいた伝え方は、分かりやすく噛み砕いたならば、きっと子供達の心にも説得力をもって重く響くことでしょう。

人間の体を構成する60兆個の細胞の全てに役割があり、全体として調和した一つの個体として生きているように、一つの共通の形から進化・分化を重ねてきた地球上の全ての生物の間には、直接・間接の相互作用があり、役割のあることが、個体発生と系統発生の類似性の観点に基づいて述べられています。ここでもやはり、「生きている意味のない生命など存在しない」ということが明確に論じられています。「無駄な命」など存在せず、命に「重い」「軽い」といった差はないという、命の価値の同等性を改めて感じる次第です。

本書の考察はさらに深められていきます。地球上の生き物は歴史的に一つの「系」として全体が一つの「生」を生きているという認識をもつことの重要性が強調され、個体や種のレベルを超えて生きている生の単位としての「生命系」の概念が提唱されます。人間もまた生命系の一要素であり、「個人として幸福でありたいと願うなら、生命系として健全な生を生き抜くことが必要であることを自覚すべきである。生命系の生をよりよく生きるためにも、自分という個体の生き方はどうあるべきかを模索したい。」という指摘は、生物多様性が、人間のあるべき倫理観や人生哲学とも関わる問題であることを示しています。

本書に示された生物多様性の科学的洞察に基づく倫理観は、一木一草に仏性を見出し、生きとし生けるものを慈しむ日本古来の精神性にも合致するのではないかと感じました。

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担当:伊藤

密やかに咲く冬の桜 [季節の話題]

 日本人ほど桜が好きな民族もいないと思いますが、桜は日本の心の象徴といっても過言ではないでしう。桜はなぜこれほどまでに愛されるのでしょうか。
 淡い花の色は、日本の風土、景観によく合い、入学式の時季に合わせて咲く桜は、門出の花として親しまれることも理由のひとつでしょう。また、散り際の潔さ、花吹雪の可憐さが日本人の心情に合うからではないでしょうか。
 桜は春を彩る大切な花のひとつですが、晴れた冬空に凜として密やかに小さな花を咲かす冬桜(以下フユザクラ)をご存じでしょうか。
 フユザクラ(Cerasusu×parvifolia‘Fuyu-zakura')は、ヤマザクラとマメザクラの自然交配種とされており、冬と春の2回咲きます。
 冬の花は10月に咲き始め、11月下旬から12月上旬にもっとも多く咲きます。そのあとも花は小さくなりますが少しづつ続けて咲きます。春は4月上旬から中旬ごろに咲きます。
 フユザクラの名所として有名なのが、群馬県藤岡市(旧鬼石町)の桜山にある「三波川の冬桜」で、国の名勝および天然記念物に指定されています。
 フユザクラのある桜山は、古くは「虚空蔵山」と呼ばれ、標高593メールあります。この桜山は、当時の三波川村長が明治41年(1908年)、日露戦争の戦勝を記念し国有地であった山林原野を買収し、山頂を含め約5ヘクタールを整備し公園としたものです。この時にサクラの苗木が植栽されましたが、ソメイヨシノの苗木の中にフユザクラが交じっていました。現在は山頂を中心に約7,000本のフユザクラが植栽されています。
 今はフユザクラの見ごろで、多くの人が花見に訪れています。ライトアップもされていますので、昼間の桜と夜の桜を見に訪れてはいかがでしょうか。

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フユザクラの花
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桜山の景観
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咲きはじめのフユザクラの樹木


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担当:松本

母校の学園祭に行ってきました [季節の話題]

戸定祭.JPG
植木市の写真ではありません。
我が母校、千葉大学園芸学部祭、戸定祭へ行ってきました。
園芸学部という性格上、野菜や花卉・苗木の販売が名物で、お客さんに家族連れが多いところは、昔のままでした。
野菜.JPG

ただせっかく、昨年100周年を迎え、構内にある歴史ある庭園が再整備されたり、与謝野晶子が来校した折りに詠んだ歌の歌碑が建ったりしたのだから、キャンパスのガイドツアーなどがあってもいいのではないかと感じました。
歌碑.JPG

卒業して四半世紀が経過してしまったのですが、学生時分に鳥を探して歩いた外周林がそのままだったり、実習で枝おろしをしたユリノキや、緑摘みをしたタギョウショウが健在だったり、意外と昔と変化がなくて、懐かしい時間を過ごすことができました。
展示を見たり、球根買ったりしながら学生さんとも少しは話をしたのですが、現在の学生気質というのは、昔と比べて如何なものなのでしょうか。

学外の様子は結構変わっていて、キャンパスに接して戸定が丘歴史公園というのがオープンしていました。
徳川15代将軍慶喜公の実弟で、最後の水戸藩主徳川昭武公の旧邸宅を中心とした公園で、この邸宅は5年前に国の重要文化財に指定されたとのことです。
松戸市内を流れる坂川も、かつてはドブ川だったのですが、今は浄化水が流れてセキショウモの茂る清流になっていました。
やはり四半世紀なりの変化はあるものです。
歴史公園.JPG
坂川.JPG


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担当:田中

大峯山詣り [紀行文]

しばらく以前になりますが、去年の6月から開設した本ブログの累計アクセス数が1万を突破しました!遅々とした更新にも関わらず、日頃お目通しを頂いている皆様に、改めて御礼申し上げます。

***

お盆に関西方面に帰省したのを機会に、奈良県天川村の大峯山(山上ヶ岳;標高1719m)にお詣りしてきました。この山のしきたりでは、山にのぼるのは、「登山」ではなく、「お詣り」です。ご存じの方も多いと思いますが、山伏の山岳修行の場であり、今でも女人禁制となっています。私が登った日も、白い行者装束の人々が多く、山上にある大峯山寺に参詣する人が絶えませんでした。すれ違う人々は皆、「ようお詣り」と挨拶するならわしです。行者さんたちのグループは、「さーんげさんげ(懺悔 懺悔)、ろっこんしょーじょー(六根清浄)、お山はしょーじょー・・・」などと詠唱しながら、テンポよく上がっていきます。法螺貝のブォーという音が、遠く近く響いてきます。

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登り口からしばらくは植林が続きますが、それを抜けると、ミズナラなどの落葉広葉樹が沿道に現れます。ちょうどリョウブの白い花が盛りと咲いていました。途中の茶屋に立ち寄り、吉野名産の葛湯で一息入れ、稜線に出ると、下界の猛暑とは対照的に、吹き抜ける冷涼な風が心地よく、緩やかな稜線の道の両側には、ブナ、ナナカマド、オオカメノキなど、関西地方の下界とは様相の異なるブナ帯の樹種が立ち並び、柔らかな緑色が目を楽しませてくれました。さらに進むと、ブナ帯の上部から常緑針葉樹林帯の下部を分布域とするウラジロモミ。このような道中のところどころに、「鐘掛岩」や「西の覗き」など、有名な修行の岩場があります。

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〔鐘掛岩〕
手足をかけるところを1つ間違えると身動きがとれなくなり、行者さんの指導なしには登るのが難しいという岩の壁です。この日も行者さんの指導で小学生ぐらいの男の子が上っていきました。

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〔西の覗き〕
ロープ一本で断崖絶壁から突き出されます。案内人が読経の後、「嫁さんと子供を大事にすると不動明王様に誓うか!」等と喝を入れます。

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〔西の覗き〕
西の覗きを横から見るとこんな感じです。この崖の上から吊されます・・

この大峯山を核として、吉野から熊野に至る修験道の修行ルートは、「大峯奥駈道」と呼ばれ、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界文化遺産に認定されました。このように、人々の篤い信仰心に守られてきた山にも、生物多様性の危機は迫っているようです。近年は、やはりシカによる食害が問題になっており、大峯山系でも場所によっては、大台ヶ原一帯と同じように林床が食べ尽くされ、バイケイソウなどの有毒な不嗜好性植物だけが広がっているという異様な光景になっているようです。環境省や地元関係者により、植生回復やオオヤマレンゲ自生地の保護などが進められています。

今回の大峯山の登山ルートは、修行者が日夜上り下りするため、シカも人の気配を嫌ってあまり出てこないのか、沿道から見ている限りは、ひどい食害は目にしませんでしたが、ルートを外れた場所の状況までは分かりませんでした。植生などの自然環境が健全な状態で保たれてこそ、ありのままの自然を尊ぶ修験の場として、生きた価値を持ち続けることができるのではないか、そんな思いを抱きました。

DSC01471_c.jpg
〔役行者〕
沿道には、修験道の開祖で大峯山を開いた役行者の像や石碑類が多くみられます。この、どこかユーモラスな表情の役行者像に癒されました。

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担当:伊藤

利根川で鳥類調査、そして銚子へ [生き物]

6月も下旬となり、鳥類の繁殖期もそろそろ終わりです。
今年の繁殖期は業務以外の鳥類調査に参加する機会があり、5月と6月に1回ずつ、千葉県の利根川下流部へ行ってきました。
利根川の河川敷には、広いヨシ原が広がっています。
ヨシ原で繁殖する鳥というとオオヨシキリが代表的ですが、ここではコヨシキリとコジュリンも多数繁殖しています。
高らかな声でさえずるコヨシキリと、真っ黒な頭が愛らしいコジュリンはお気に入りの鳥で、学生時分からよく足を運んで見に行っていました。
木陰のない河川敷は陽射しが厳しく暑いのですが、ヨシ原を渡る利根の川風に吹かれながら、さえずりに耳を傾けるのは心地よいものです。
利根川河川敷.JPG

そして1984年、近くの河川敷でオオセッカの繁殖が確認されました。
オオセッカは当時の特殊鳥類。東北地方のごく一部でしか繁殖の知られていなかった種でした。
その後、利根川沿いに分布を広げて安定して生息していうようです。
さえずりは「チュカチュカチュカ‥‥」と大声で、どちらかというと暑苦しいのですが、独特のさえずり飛翔を見せてくれます。
このヨシ原には、オオセッカやコジュリンの他、サギの仲間のヨシゴイも生息し、チュウサギやコアジサシも飛びました。
いずれも環境省のレッドリスト掲載種です。
河川敷の当り前の環境が、今や希少種の一大生息地あり、その重要性を訴えていきたいものだと感じています。

調査終了後、JR成田線に乗って利根川沿いに下って銚子へ。
そしてぬれ煎餅で一躍有名となった銚子電鉄に乗り換えて、犬吠埼へ行ってきました。
犬吠埼で見た植物です。白い花はイブキボウフウの海岸型でハマノイブキボウフウ、赤紫色の花のアザミはノアザミの海岸型とのこと。
厳しい潮風にきつい日照、生育条件の厳しい環境に適応した植物です。
ハマノイブキボウフウ.JPG

ノアザミ海岸型.JPG

ところで銚子電鉄では、最近入った中古の緑色の車両に乗りました。
最初は京王電鉄を走っていたとのこと。
遥か昔に高尾の方で、こんな車両に乗った記憶がかすかにあります。
古いのに頑張っているなぁと思ったら、1962年製とのこと。自分と同じだ‥‥。
銚子電鉄.JPG

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